様相論理 is Fun

様相論理の学習ノートです

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フレームに基づかない意味論について-その3

様相論理式全体の集合を$P_\infty$とする。すなわち、$P_\infty$は、命題変数達と、論理演算子$\neg$, $\vee$ (補助的に$\rightarrow$, $\wedge$), および様相演算子$L$ (補助的に $M$)によって生成される論理式全体からなる集合である

 

解釈とは、$P_\infty$の部分集合の組$(V, U)$で、次の性質を満たすもののこととする。

 

  1. $V$は真偽値関数と同様に振る舞う。つまり、$\neg p\in V$ $\Leftrightarrow$ $p\not\in V$であり、$p\vee q\in V$ $\Leftrightarrow$ ($p\in V$または$q\in V$)
  2. $p\vee q\in U$ならば$p\in U$または$q\in U$
  3. $p\in U$, $p\rightarrow q\in V$ならば$q\in U$
  4. $p\not\in U$ならば$\neg p\in U$
  5. $Mp\in V$ $\Leftrightarrow$ $p\in U$
  6. $Lp\in V$ $\Leftrightarrow\neg p\not\in U$

 

 その2

umemura-wataru.hatenablog.com

 

では, 2. は, $p\in U$, $p\rightarrow q\in U$ならば$q\in U$としていたが, $(Mp\wedge M(p\rightarrow q))\rightarrow Mq$が恒真となってしまうのでこれは誤りである. 

 

また、可能世界モデル$(W, R, v)$に対して(記号の重複を避けるため, 可能世界モデルにおける解釈は$v$と表した), すべての$w\in W$で$w\models p$となるような論理式$p$全体を$V$, ある$w\in W$とある$w^\prime\in W$に対して$wRw^\prime$, $w^\prime\models p$となるような論理式$p$全体を$U$とすると、$(V, U)$は上の意味での解釈である. (ただし, そのままでは, $D$が恒真となるので, 若干の修正が必要である.)

 

以上の準備の下で, $K$が任意の解釈$(V, U)$で恒真、つまり、論理式$p$, $q$に対して、$L(p\rightarrow q)\rightarrow(Lp\rightarrow Lq)\in V$であることを示す.

 

3. より, $p\vee q\in U$ならば$p\in U$および、2., 3.より($p\in U$ または$q\in U$) iff $p\vee q\in U$が成り立つことを用いる.

 

$L(p\rightarrow q)\in V$とし, $(Lp\rightarrow Lq)\in V$であることを示す. $L(p\rightarrow q)\in V$より, $\neg(p\rightarrow q)=p\wedge\neg q\not\in U$.

 

$Lp\not\in V$ならば, $(Lp\rightarrow Lq)\in V$であるから, $Lp\in V$である場合を考えればよい.

 

このとき$\neg p\not\in U$.

 

よって, $\neg p\wedge\neg q\not\in U$

 

$\neg q=(p\vee \neg q)\vee(\neg p\vee\neg q)$であり、$p\vee \neg q\not\in U$, $\neg p\vee\neg q\not\in U$であるから, $\neg q\not\in U$. つまり$Lq\in V$であるから, $Lp\rightarrow Lq\in V$.

 

以上によって, $L(p\rightarrow q)\rightarrow(Lp\rightarrow Lq)\in V$